久しぶりに更新します。2年ぶりです。1年前に進路指導部主任から1年生学年主任に代わり、仕事内容が変わりました。さらにコロナに追われ、更新する暇がありませんでした。更新する気持ちに変わったのは、三男の大学受験です。仕事がら大学受験についてはいろいろな情報はあるのですが、自分の子の受験となると勝手は違います。基本的には聞かれなければ何も関与しないスタンスでした。長男、次男の受験も同様です。関与しないといっても気にはなります。台所のテーブルの上にほってある模試の成績表をチラチラ見たりはし
ました。三男は中学受験で長男が進学したT中学に合格できず、次男と同じN中学に進学しました。長男と同じくあまり勉強をせず、高校2年から河合塾には通っていましたが、受験生には程遠い状況でした。この三男と私との『父と子の受験勉強』がひょんなことから始まり、そして終わりを迎えます。約半年間の『父と子の受験勉強』を『父と子の受験勉強体験記』として皆さんにお話しします。
三男の河合塾全統共通テスト1回目のデータはこうでした。
英語+L(93) 数学ⅠA(47) 数学ⅡB(66) 国語(151) 物理(33) 化学(47) 倫政(48) 5-7理系(485)括弧内は得点
長男は北陸のK大学(国公立)、次男は愛知県のA大学(県立大学)に進学し、親としては学費の面で有難いと感謝しています。三男はうえ2人と比べると我が強いところがあり、
納得しないと勉強しないだろうと思っていました。長男と同じ理系希望ですが、上記の1回目の5-7理系は54%であり、受験に間に合わないだろうという見立てでした。人の子(学
校の生徒)なら間に合わないと面談するのですが、自分の子の場合『諦め』が勝り、何も言いませんでした。夏休みが始まり、流石に勉強はしているようでしたが、私は殆どタッチ
しませんでした。
10月になって少し状況が変わります。三男がある模試の成績表を見ているときにたまたま居合わせ、数学の『複素数平面』が弱いという話になり、”少し勉強見てあげようか?”と言うと”そうだね”と事が進んだのです。そこで、ダイソーでホワイトボードとマーカーを買ってきて一緒に勉強をしました(自分は数学の教員です)。 それがきっかけになり、私と三男の勉強会が始まりました。『父と子の勉強会』です。何となく『北海道大学』を受験したいとのこと、上記の成績では手が届くと思えないのですが、モチベーションは利用しようと思い、教学社の『北海道大学理系数学15年』を一緒に解き始めました。それから毎日2題、70題くらいの問題を解いたと思います。私もその場で一緒に解き、解説をしました。基本的な事項を知らないことも多く、問題を利用して基本事項も説明しました。時間にして1~2時間、自分の帰宅時間が10時過ぎなので、遅いときは夜中の2時くらいまで勉強しました。次の日は自分も三男も普通に学校があるので大変は大変でしたが、ある意味充実した時間でした。というのも、問題を解こうとする意欲がかなりあり、理解するまで諦めない姿勢があったため、教員としては教えがいのある生徒(自分の息子ですが)だったと思います。12月に入って『北海道大学理系数学15年』は一通り終わり、そこから共通テストに向けてセンター試験の過去問題を分野を絞って解き始めました。全統共通テスト第3回の結果および全統記述第3回の成績表があるのでお見せします。
英語+L(123) 数学ⅠA(66) 数学ⅡB(53) 国語(168) 物理(58) 化学(35) 倫政(52) 5-7理系(555)括弧内は得点
第1回よりは上がっているものの5-7理系62%であり、到底北海道大学のボーダーには届きません。
英語(50.3) 数学Ⅲ(52.3) 物理(60.3) 化学(55.1) 国公立理系(54.5)括弧内は全国偏差値
こちらも共通テストよりはマシなものの、チャレンジして金沢大学かなという判定です。志望校ドッキング判定もこうでした。
北海道大学総合入試理系総合科学前期
共通テスト E /二次 E /ドッキング E
信州大学理学部物理学前期
共通テスト A /二次 A /ドッキング A
金沢大学理工学域数物科学前期
共通テスト B /二次 C /ドッキング B
仕事なら(自分の学校教師として)面談で『金沢大学』を勧めると思います。ただ、親としては本人が受けたいところを受験すればよいと思っていました。その大きな理由はダメだったら『浪人』すればよいと思うからでした。師走も押し迫り、流石に三男も受験生の雰囲気を出していました。共通テスト数学ⅡBで、2番の微分積分分野、3番の数列分野、4番のベクトル分野、数学ⅠAで三角比分野を時間を測って演習しました。特に微分積分分野は過去問題を15年分は解いたと思います。年が明けていよいよ1/16(土)・17(日)を迎えました。
試験会場は南山大学、2日目は自分も送り迎えをし、我ながら『過保護』だなと思いました。6年前の中学入試のときも模試等で三男を送り迎えすることがあり、当時とダブって何となく物思いに耽る次第です。今更ですが、『世の中の受験は親子で頑張る』ことをしみじみ感じてしまいました。今年の入試は『共通テスト』となり平均点が大幅に下がると言われ、三男の自己採点結果がどうなるのか全く予想ができませんでした。結果はこうでした。
英語+L(148) 数学ⅠA(72) 数学ⅡB(86) 国語(159) 物理(84) 化学(52) 倫政(82) 5-7理系(683)括弧内は得点
5-7理系で76%であり、北海道大学のボーダー近辺に届きそうでした。自分の子はよくやったと自画自賛するより、『現役の生徒はこうやって伸びていく』ことを痛感しました。北海道大学総合入試理系は次の配点です。
物理重点選抜と数学重点選抜のどちらを出願するかで迷いましたが、結局左の物理重点選抜で出願することになります。換算得点は
英語(45) 数学(48)国語(64) 理科(41) 地歴(33) 計(231)
得点調整が入り、換算得点は234となり、河合塾のボーダー(234/300,78% Keinet)と一致しました。
共通テスト2日目の1/17には『北海道大学受験』を決め、夜に飛行機とホテルを予約しました。安全策を考えれば『金沢大学受験』でしょうが、本人の強い希望であるし、ダメなら『浪人』すればよいと私は思っていました。飛行機とホテルの予約を早めに行ったのは、どうせ受験するのなら1日でも早く『北海道大学対策』をしたほうが良いと思ったからです。それからの1か月、また三男との『父と子の勉強会』が始まりました。学校で過去問題(1995~2002)をコピーして毎日2題ずつ解きました。実は妻は高校の理科の教員(化学専門)であり、妻が『北大化学』を見て、次男(英検1級)が『北大英語』を見て、私が『北大数学』を見るという家族総出で三男の勉強シフトを引いたのです。恵まれた環境とも言えますが、ある盲点があることにその時は気が付きませんでした。また、『父と子の勉強会』は順調だったとは言えず、夜中の1時過ぎに子どもと口論になることもありまし。”いくら解いても数学は解けない””諦めるほど数学の問題解いていると思っているのか?全国の受験生に失礼だ!””お父さんが解いているだけで自分は解いていない!”泣きながら話す子どもを見て、改めて『受験勉強』の大変さを感じました。
そうこうしながら月日がたつのは早く、三男と妻は2/23にセントレアから北海道に出発しました。そして、2/25に本番の前期試験を迎えます。札幌は雪のようでした。試験当日の夜、次男とブロンコビリーで夕食を取りながらツイッターで『北大受験』を検索しました。知らなかったのですが、入試速報はどこよりもツイッターが早いようです。ツイッターでは数学の問題および解答例もアップされていました。どうも『易化』したようでした。妻から次男に『数学でヤラカシタ!』とメールがありました。2/26の夜、セントレアに迎えに行きましたが、空港で三男が”数学はヤラカシタ、過去問題ばかりではダメだな、問題集を繰り返し解かないと…”と呟いていました。”2次合計で480点は超えそう、ただ、易化しているので微妙…”とも話してました。それから1週間、割と落ち着いて三男は勉強していました。『父と子の勉強会』はクローズでした。
3/6の合格発表の日を迎えます。9:00ネット発表で、妻からの連絡を待ちましたが9:05になっても連絡なし、ダメかと思って電話したところ三男が結果を言うまで待つ、それから連絡するとのことでした。9:10頃連絡が入り、不合格でした。受験生を担当して30年近く、毎年のように受験生を送り出して来ました。自分で言うのもおこがましいですが、担当した受験生はかなりの割合で合格しているという自負はありました。しかし、自分の子においては通用しない、第一仕事として三男の受験を考えると、『北大受験』を勧めなかったと改めて思いました。また、先ほど触れた『盲点』ですが、今年『北海道大学入試問題』は大きく変わり、『過去問題演習』だけでは対応できなかったと思います。『過去問題演習』は必要ですが、何よりも必要なのは『問題集を繰り返し解くこと』です。これまで仕事として生徒に口を酸っぱくして言っていたことを改めて痛感しました。
今日は3/7の日曜日ですが、三男は卒業した高校に勉強しに行っています。後期試験は『名古屋市立大学総合理学部』を受験する予定で、共通テスト(500)、2次(数学200 物理200小論文100/計500)の配点です。日曜日ですが誰かしら先生がいるので『小論文』を見てもらうそうです。『総合理学部』は3年前から新規にできた学部で、レベル的には河合塾によるとボーダー76%、2次偏差値55です。『北海道大学総合入試理系』がボーダー78%、2次偏差値57.5ですので、少し易しそうです。倍率2.4(40人定員261人受験60人合格)で、今年の北大の倍率が2.6だったのでこれも近い値です。受験はするみたいで、不合格なら『浪人』(名城大学の理工学部は共通テスト型およびA日程で合格をもらいましたが本人の希望で入学金は払いませんでした)、合格なら『進学』か『浪人』(とりあえず『北海道大学』に再チャレンジ?)となりそうです。
今後の結果はブログで報告します。今後どのような進路をとっても『父と子の勉強会』は再開されないでしょう。その意味では『父と子の受験勉強体験記』は終了といえます。最後になりますが、半年間『父と子の勉強会』を行って感じることがあります。
『受験は子どもを成長させる…』
受験生になり切れない1年前と比べて、不合格になっても次の日には次の手段(後期試験)に向けて頑張れる三男を見て親バカであることは分かっていますが、”成長したな…”と思います。付属校での受験指導が仕事ですので、楽と言われる『学校推薦型選抜大学入試』が多く、厳しいと言われる『一般選抜大学入試』は生徒(子ども)にとって必要なのだろうかと考えることがありました。三男の受験が失敗(第1志望校現役不合格)した今、自身を持って言えます。
『子どもを成長させたいならば大学受験は一般選抜でチャレンジさせるべき…』
以上で半年間の『父と子の受験勉強体験記』を終わります。