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令和3年度推薦入試より(愛知大学と名城大学)

『大学入試改革を振り返って』にも書きましたが、本年度は『総合型選抜』および『学校推薦型選抜』に移行する生徒が多くみられました。名古屋近郊私立大学において人気の高い『愛知大学』と『名城大学』において本年度の『総合型選抜』と『学校推薦型選抜』を振り返ってみたいと思います。両校とも『総合型選抜』はほとんど行われないので、『学校推薦型選抜』に絞ってみます。

【愛知大学】

愛知大学

『推薦入試について』でも『愛知大学』を取り上げましたが、定員の約45%が『学校推薦型選抜』で決まります。例えば『法学部』ですが、募集定員は315人で『定員厳格化』によりほぼこの人数が募集されます。

指定校推薦46(15%) 一般推薦専願19(6%) 一般推薦併願67(21%) その他推薦10程度(3%)  計142程度(45%)

このようになります。ここで、全学部合計において『指定校推薦』と『その他推薦』を除いて『一般推薦専願』と『一般推薦併願』について考えてみます。

一般推薦併願(令和3年) 志願者(245)  合格者(125)  倍率(2.0倍)

一般推薦専願(令和3年) 志願者(859)  合格者(351)  倍率(2.5倍)

これを1年前と比べてみました。

一般推薦併願(令和2年) 志願者(263)  合格者(117)  倍率(2.2倍)

一般推薦専願(令和2年) 志願者(1089)  合格者(347)  倍率(3.1倍)

予想と違って、本年度『学校推薦型選抜』が厳しくなったデータではありませんでした。ちなみにHPより7年前と比べてみました。

一般推薦併願(平成26年) 志願者(246)  合格者(142)  倍率(1.7倍)

一般推薦専願(平成26年) 志願者(805)  合格者(403)  倍率(2.0倍)

7年前と比べると『学校推薦型選抜』は難化しています。ここ1年では『愛知大学』に関しては『学校推薦型選抜』の難化の現象はありませんでした。

【名城大学】

名城大学

※令和3年度が削除されたので令和4年度で代用してあります。

名古屋近郊私立大学において一人勝ちのイメージのある『名城大学』ですが、HPより『公募制推薦入試』のデータを拾ってみました。

『名城大学』において『総合型選抜』は『外国語学部国際英語学科』のみの実施ですので、ほとんど『学校推薦型選抜』での実施となります。『学校推薦型選抜』の中でも『公募推薦入試』がメインであり、上記の表は『名城大学』の『一般選抜』以外の概ねのデータであると言えます。倍率を『愛知大学』同様調べました。

公募制推薦(令和3年) 志願者(245)  合格者(125)  倍率(2.0倍)

これを1年前と比べてみました。

公募制推薦(令和2年) 志願者(263)  合格者(117)  倍率(2.2倍)

『愛知大学』と同じく、本年度『学校推薦型選抜』が厳しくなったデータではありませんでした。『愛知大学』同様7年前と比べてみました。

公募制推薦(平成26年) 志願者(246)  合格者(142)  倍率(1.7倍)

『愛知大学』同様7年前と比べると難化しています。

【まとめ】

『愛知大学』と『名城大学』の『学校推薦型選抜』結果を調べてみると、今年急に難化したというデータではありませんでした。ここ10年のスパンでだんだん『学校推薦型選抜』が難化していった模様です。最近の傾向として『学校推薦型選抜(併願)』で私立大学の合格を押さえておいて、『一般選抜』で国公立大学および難関私立大学を受験するようです。10年前は受験しなかった学力層の生徒が『愛知大学』と『名城大学』を『学校推薦型選抜』で受験するようになり、結果として『学校推薦型選抜』の難化をもたらしているのは確かでしょう。この流れは、その他の名古屋近郊の私立大学でも言えると思います。『中京大学』、『中部大学』、『愛知学院大学』等の『学校推薦型選抜』は軒並み難化しています。『学校推薦型選抜』が難化するということは『一般選抜』の定員枠の減少を生み出し、『定員厳格化』と合わさって『名古屋近郊私立大学』の『一般選抜』の難化をもたらしていると言えます。この現象はいつまで続くのか?私は、この現象は『コロナ禍』の中でここ10年は続くと思います。ただ、昨年度と本年度の『学校推薦選抜』の難化が『愛知大学』と『名城大学』でなかったように、今後10年ゆるやかに継続するように思われます。

『一般選抜』の今年の振り返りはまた別の機会に行いたいと思います。

 

※この記事を書いたのは3年近く前です。当時、コロナ禍が収まる気配はなく、『私立大学難化』は10年続くと思っていました。それが、1年前に『入学定員厳格化緩和』がおき、半年前に『コロナ』が5類扱いになり、一気に情勢が変わりました。最新の『令和6年度大学入試(名古屋地区)』にも書きましたが、『河合塾2024年度入試難易予想ランキング』によると名古屋地区の私立大学の偏差値は平均して3程度下がっています。これから一般入試が始まります。受験生の皆さんは強気で私立大学を受験してもよいかと思われます。

 

 

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